Ⓙどこで なにを 作ろうが。

Ⓙたかがレシピ、されどレシピ

2021/06/04 21:07 趣味 くらし

※本日のブログ、

かなり長文です〜悪しからず^^;


レシピを語れる友人。

数年前、

私にとって忘れられない出会いがあった。


それは、

"レシピ"について、語れる友人…。


どのレシピが簡単で美味しい、とか

誰のレシピがオススメか、とか、

そんなありきたりの話ではなくて、


レシピ自体の扱い方、考え方、

カッコつけて言えば、

"レシピの哲学"

みたいなハナシ…が出来る友人。


レシピの価値と言うのは、人それぞれだし、

私の場合、どのレシピか?にもよる。


簡単に思いついたレシピ、アイデアは、

そんなにこだわりも無い。


一方で、

簡単に人には教えたくないレシピ、

と言うものも存在している。

自分で試行錯誤し、何十回何百回も作った上で、

出来たレシピは、さすがに感慨深い。

そのようなレシピに限って、ずっーと

自分の中で完成したと言い切れない。


まだ、何か余地があるのではないか?


何度も作って来て、何度も調整して

段々と良くなって来てるのを、実感しながら

育てて来たレシピだからこそ、

そんな気持ちになるのだと思う。


心から好きだからこそ、ずっとずっと

未完のレシピ。

誰にでもそう言うレシピってあるのかな?


2種類の人間。

海外では、旦那さんの仕事に帯同する場合、

妻は労働は出来ないルールの為、

時間を持て余して、あるいは必要に迫られて、

料理やお菓子、パン作りに目覚める人は

たくさんいた。


どこに住んでも、

自分で材料を調べて、買ってみて、

作ってみて、食べてみて、改善して…

を楽しみとして来た私ですが、

ほとんどの人は、この工程を省きたいらしい。


完成したモノを食べて、

この材料と、レシピを教えて欲しいと

よく言われた。


私は、その時のあるだけの知識を、伝えたし、

百聞は一見にしかず、と、

うちで一緒にお菓子を作って教えたりもした。



そんなことを繰り返すうち、

世の中には、2種類の人間がいる事を実感した。


①情報と出来たお菓子が欲しいだけの人

②自分で上手く作れるようになりたい人



2種類の人間といっても、圧倒的に❗️

①の方が多かったですが(ーー;)


私は、自分が本当に美味しいモノを

作りたいし、食べてもらいたいと思っていた。

他の人は、違うんだ…単に暇つぶしに来てる?

と、段々残念に思うことも多くなった。

作り方を教えて欲しいと言ってた割には、

その後一度も作っていない人もザラにいたし。 


ある時は、お菓子を習いたい。と

個人的に頼まれて、引き受けたら、

何だかパーティみたいに人が集まって来て、

おしゃべりに夢中で、誰も聞いてない、

頼んだ本人は、ゲストの出迎えで忙しくて


ここが、今日のケーキのポイントですけど〜


と思いながらほぼ一人でケーキを作り続けた、

なんてひどいのもあった。

あたしゃ、お茶会のお菓子を作る係だった説。


甘いお菓子を作りながら

苦い経験をして来たものだわ。


あまり人とベタベタせず、

近づきにくい雰囲気の私に

声を掛けるだけで、

結構勇気ある面々だとは

思うけど(笑)



レシピは、一人歩きする。

そんな事を繰り返しているうちに、

とても大切にしているレシピは、

簡単に人に教えたくないな、と

思うようになっていった。


どこの誰が作ったか分からない、

印刷を繰り返したレシピが、私にも回って来た

時、何だか悲しくなった。

なんだかんだ受け継がれているのは、

光栄な事かも知れないけれど、

完全に、レシピは一人歩きしているようだった。

レシピを作ったご本人は、知る由もないが。




自分のレシピを人に渡す時は、

データでは絶対に渡さないようにした。

実際に、自分が一緒に作った人にしか

印刷したレシピも渡さないようにしていた。


が。

ある方とうちでケーキを作り、

印刷したレシピを渡したその日の夕方。

全く違う方から、「レシピが回って来たよ〜!」

と言われた時の私の衝撃❗️

レシピを巡る、埋められない価値観の違いに

打ちひしがれた。


私の心が狭いだけ!?

もしかしたら、私ってすごくケチなのか?


たかがレシピ。

されどレシピ。


とにかく、

やっぱり、レシピは一人歩きするのです。


レシピもそうだけど、

材料についても、深く追及していた私は、

小麦粉、砂糖、どんな材料でもいつも最適を

求めて常に何種類も買い試していた。

ある時、自分が教えたうんちくが、

巡り巡って別の人から自分の教えたそのままの

くだりを聞かされた時は、呆れた。


人から習ったことや、教えてもらった情報を

自分で試行錯誤も努力もせずに、

あたかも自分が発見したみたいに語る人の

いかに多いことか…(T ^ T)


他人に、自分と同じ事を求めている訳ではない。

ただ、ちょっとだけ取り扱いを考えて欲しい

と思うのは、ワガママなのだろうか?

じゃあ、教えなきゃいい、って?


そして、自分自身も知らず知らずのうちに、

知ったかぶりをかましている可能性も

あるから、気をつけよう…


レシピは買うもの。

前置きが長くなりましたが…

冒頭に出てきた、

レシピ哲学を共に語った友人の話です。


彼女は、管理栄養士として

第一線でバリバリ働いていたので、

レシピの取り扱いはそれはシビアで、

自分のレシピも大事にしていた。


クックパッドは絶対しないな。

やっぱり、きちんとしたレシピは、

それなりのお金を払って買うものだよ。


と、ハッキリ言われた。

自作のレシピノートを見せてもらったが、

綺麗な手書き文字で、びっしりと書き込み

されていた。それだけで人柄が窺えた。


とりあえず作って、メモして

改善して、メモして

アレンジしたりしてレシピを完成させていく。


私も彼女も我流だけど、

彼女は、ベースの知識と腕は言うまでもなく、

何より姿勢がプロだった。


私みたいに、ケチケチしてないから、

よく人に振る舞っていたし、

教えてという人には快く教えていた。


でも、彼女も、私と同じように

2種類の人間がいるのはひしひしと

感じていて、意気投合したのだ。


私も料理やお菓子作り好き〜♡

と近づいて来る人は、大抵、

彼女の腕がどんなものか?

って、ライバル心剥き出しでマウントを

取ってくるような人が多い、と嘆いていた。


でも、彼女はいつも落ち着いていた。

何故なら、

レシピを手に入れるだけでは不十分で、

作った人にしか分からない事があるから、

絶対同じように美味しくはならないんだよ。


…みたいな事を言っていて、

うっかり惚れそうになった(〃ω〃)


簡単なレシピほど、レシピには書かれては

いない、大事なコツ、確かにある気がする。




彼女にもらった手書きのレシピは、宝物。

簡単な説明しか書いていないけど、

一緒に作ったから、コツや生地の感じは

ちゃんと覚えている。


彼女もまた、私が教えたレシピを、

とても大切に扱ってくれている。


もう、数年連絡を取れていないが、

レシピで繋がっているような気がする。


レシピの独り立ち。

自分のレシピが、一人歩きするのは

いやーな気持ちになったりするけど、


時々はとても嬉しい事もあった。

教えたレシピを、何度も何度も練習して、

「味見してもらえませんか?」

と、持ってきてくれる殊勝な人もいた。


こんな嬉しい事はない。

そう言う真面目な人は、他の人に勝手にレシピを

流出させたりしない。

必ず私に、確認してくれるの。



そうやって、

何度も作るうちに、

その人の

レシピになっていく。



そうなると、

これは、もう、レシピの独り立ちだなぁ

╰(*´︶`*)╯♡


こういうのは、本当に嬉しい。

そして、その人は私のライバルとなる…

のです。


で、そんなに大事なレシピとは?

長々と、

大袈裟にレシピの事を書きましたが

私が大事にしているレシピは、

独創的な訳でも、卓越している訳でもなく、

たぶん、似たようなレシピがたくさん存在

しそうな、ごく普通のものです。


私は、人の価値観を見るフィルターとして、

自分のレシピを利用しているのかも知れません。


クックにアップしているレシピは、

そんなにたくさん無いですが^^;

もちろん自由に使って頂いて構わないレシピを

載せています。色々と書きましたが、

細かいことは気にせず、ご利用頂きたく。




クックパッドで出会えるのは、レシピだけ。

人には会えない。

直接教えてももらえない。

それでも、レシピへの情熱や、

作る人への思いやりを感じさせてくれる

素敵なレシピが山ほどある。

だから、やめられない。



人のレシピも大事に出来る、

そういう人にワタシはなりたい。



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